ただのいぬ。

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ただのいぬ 角川文庫ただのいぬ。(角川文庫)
ただのいぬ。写真展のページ
うちのらんは、都内某所の多頭飼い崩壊の現場から救出された子です。飼っている人たちも生活保護を受けなければ暮らしていけないようなところで、30匹弱のわんこたちが、たった一つの餌を取り合って暮らしていたそうです。極度の栄養失調で全身の毛は抜けてしまい、餌の取り合いで犬同士でけんかをして傷だらけ、そんな状態だったそうです。極度に甘えん坊のらんの性格も、たぶんそうやって人間に甘えることで、なんとか餌をもらって生き抜いてきたことからくるものなのかもしれません。
 らんだけではなく、人間の勝手な都合で保健所行きになってしまったり、悪質ブリーダーの過酷な生産で生命を失う犬、ペットショップで売れなかった子たち。いったい何匹の犬が、生命を受けて、人と一緒に幸せな一生を送れるのかな。幸せな子と不幸な子との分水嶺はどこにあるんだろう。
 らんの譲渡を受けた動物生命尊重の会は、そんな不幸なわんこを救うために、草の根で活動をしている団体の一つです。かわいそうな子を救おうと、時間を惜しまずにレスキューをし、そんな子たちを預かり、里親探しをしています。残酷な現実を少しでも変えようとしている団体の一つです。
 この本に載っているわんこたちにも、さまざまな事情を抱えています。らんがうちにきて幸せに暮らしているかどうかは、本人に聞いてみないとわからないですが、少なくとも僕は会の皆さんやもとの預かりさんが必死になってレスキューしたこの甘えん坊の命を、なんとか幸せの中で全うできるようにがんばっているつもりです。
 でも、現実はとても過酷。今日にも、いまにも、苦しんでいるわんこたちがいっぱいいると思います。現実を変えるには、ただ一つのことだけですむ。人間の意識を変えること。エゴイズムで動物を飼うことをやめること。それだけですむはずなんです。「ただのいぬ」。なんてことないただの犬だけど、無料(タダ)の犬だけど、もっている命の大きさは、人間のそれと等価のはず。それをこの本(というか写真集)をみて感じました。

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