昨日、偶然にもVide Music Ch.のページを見ていたら、Space Shower TVでくるりの新曲『Baby I Love You』を放映するとのことで、早速Macで録画しました。前後のよけいなCM等をFinal Cut Proで削除して、クリップ部分だけをmovファイルとして書き出しました。
ふだんならここでMPEG-2化してDVD Studio Proに持って行くところなんだけど、今回はせっかく買ったので、Toast Titanium 7のDVDオーサリング機能を使ってみようと。
まずはToast Titaniumを開き、ビデオタブを選択します。で、DVDにしたい映像をウインドウの中にドラッグ&ドロップで放り込む。書き込み時に自動的にMPEG-2にするので、ここはソースの映像をそのまま放り込めばいいみたいです。
そのとき、ドロワには右のような画面が出ています。フォーマットは「DVDビデオ」を選択し、メニューを利用するかどうか、ディスク挿入時の動作や連続再生の動作などを設定します。エンコードを「自動」にしておくと、ソースの長さに合わせてビットレートを調整してくれるみたい(基本的には可変ビットレート(VBR)でのエンコードをするらしい)。が、自動だと、ソースが4分21秒という短い映像なのに、平均ビットレートが4Mbpsで、最高が8.0Mbpsというよくわからないビットレートの設定。ちょっと自動じゃ信用できないので、エンコードをカスタムに設定しました。すると下の「詳細」ボタンを押せるようになります。
詳細画面では、ディスクの名称やメニューのスタイル、ディスク挿入時の動作などを設定するタブである「ディスク設定」画面が開きます。上の二つの項目は、ディスク挿入時の動作に関するもので、ドライブを入れたら自動再生する場合は「ディスク挿入時自動再生」にチェックを入れます。複数のトラックがあり、それを連続して再生したい場合には「すべての項目を続く再生をする」(日本語おかしくね?)のチェックボックスを入れます。DVDビデオのメニューにソースの映像を流す場合には、「ビデオのシーンメニューを含む」にチェックを入れておく。残りはスライドショーやDVDミュージックを作る場合の設定だからとりあえず無視。ちょっとこの辺の機能のまとめ方、どうだろうと思う。わかりづらいよね。
かたやエンコードタブには、画質を向上させるための重要な設定ができます。VBRでは、平均のビットレートをもとにエンコードし、激しい動きやちかちかする動きがあった場合には、その部分のみエンコードレートを上げて画質のバランスとディスク容量の節約をすることができる技術です。標準ビットレートが4Mbpsとちょっと物足りなかったので、これを6.5Mbps(いわゆる60分のソースを一枚に収めるための映像ビットレート)に上げて、最高のビットレートは8.0Mbpsのまま。DVDの規格自体はコンテンツのビットレートの合計が10Mbpsに収まっている必要があるので、これぐらいが限界かなあと。比較的きれいな映像にしたかったので、「動き予測」は最大にして、隣接のビットの変化を見て予測をかける「Half-PEL」の機能ははずしました。優先フィールドは何を選んだとしても、最終的にそのメディアがプログレッシブ対応でなければインターレース方式となる。ので、インターレースしか写せない僕のDVDデッキでは正直どっちでもイイです。
重要なのは、従来のPCM(48KHz)とDolbyだけではなく、PCMに96KHz/ 24bit音声を選べるようになったところ。これはソースがかなり音声に気を遣っているようなものだったら、しっかりかけておいた方がいいかなあ、とおもう。所詮DVで一度つぶしている部分はあれど、音楽のクリップなんで、24bitの設定にしておきました。
もう一つ忘れてはいけないのは、映像編集画面です。この画面ではVHSとDVDの決定的な差の一つである「チャプタ」を映像に設定することができます。チャプター設定といっても簡単なものですが、スライダーを動かすことで、チャプターの設定ができるようです。
こうしたことを全部追えて、最初の画面の赤丸ボタンを押すと、自動的にソースファイルのエンコードが始まり(ソース映像の長さによってはそれなりの時間がかかります)、エンコードが終わると書き込みのフェーズに入り、焼き上がります。使ったのが台湾製のSPIN Xという激安メディア(DVD for Video for VIDEO 50枚で 1,400円前後)なので心配しましたが、特にエラーなく焼くことができました。焼いた後は、うちの民生用DVDデッキVictor XV-Q10で再生してみたけど、コマ落ちとか、音割れとかは全然なし。タイトルが終わると自動的に再生されるので、停止ボタンを押すまでエンドレスに再生されます。
肝心の画質なんですが、まあ微妙な差でやっぱりCompressorの勝ちかもしれない。若い子が原付に乗っていて、その後ろにある車の映像なんてのはあきらかにシャープネスに欠けてるし、暗いシーンでも、明るさが変化するところに変なモスキートノイズが乗ったりしている。まあ、きにならんところなんだけれども。
やってみると、Toastでもけっこう多くの機能(特にメニュー関係)が利用できるんだなあ、と感じました。が、簡単さではToast TitaniumやiDVDに一律の長があるかな、と思います。超初心者はiDVDで、少しいじりたくなってきたらToast Titanium 7で、もっともっと懲りたくなってきたらDVD Studio Proで、という流れもアリだと思います。いずれにしても、簡単にDVDビデオを作成したい環境としては、十分な機能を持っているのがToast Titanium7なんだなあと改めて思いました。
Roxio『Toast 7 Titanium』(パッケージ版) 17,980円