ものすご〜く前の話になりますが、アキバに行く度に寄っているヘッドフォン屋さん、e-earphoneの移転セールがありました。
いや、移転を知らずに昔の店舗に行ったら、「移転しました」の張り紙が。「しかも新店舗で今日からじゃん」ってことで、顔を出してみたらセールをやっていた、というわけ。
移転セールは結構インパクトのある価格でいろんなものが出ていました。特に多かったのが、AKGの旧モデル品。
今までにいろいろと投資をしてきたヘッドフォン、その時に欲しかったものというと、
- コンパクトで折りたたみ機構があること(折り畳み後は出来る限り小さくなること)
- オンイヤー型、アラウンドイヤー型かは問わない(必然的に後者はどうしても大きくなるけど)
- 側圧がほどほどで、メガネをかけていても痛くならないこと
- 音質は解像度よりも楽しく音楽を聴かせてくれるタイプのもの
といった感じ。要は持ち運び用のコンパクトヘッドフォンですわな。
ただし、実は一番重要なのは3番だったりする。
これまでもいくつか買ってはみたのだけど、自宅〜会社までの約1時間半で、メガネと頭の接触部分が痛くなってしまうものが結構あった。
例えばKlipschの”Reference One”。
解像度はそこそこだけど、Klipschらしい高音のキラキラ感と下品にならない程度の低音の強調という、ややドンシャリ気味のヘッドフォン。
音が多めで、派手なアレンジを加えたRock系の音を聴くとすごく楽しくて気に入っていたのだけど、これもやっぱり耳が痛くなってしまっていた。
ので、替りを探していた、というわけで。
候補となったのはAKGのK450(セミオープン)とK430(密閉型)。いずれも税込5,000円という破格の値段。
AKGの開放型の素晴らしさはQ701で体験済みなので、セミオープンでもいいかな〜なんて思っていたのだけど、やっぱり電車通勤の身としては音漏れで文句を言われることなく音楽が聴きたい。ので、選択肢はK430のみとなり、早速購入してみました。
ちなみに8/2現在、amazonでも特価処分に入ったのかな、5,000円台で販売してますね。
家に帰り、早速開封。
個人的には、出来る限り外箱もキレイな状態でとっておきたいタイプなんだけど、これは無理。
外箱自体は非常に上品な箱で、高級感もあるのだけど、箱の上部・下部にお菓子をあけるようなミシン目があり、こいつを裂かないとモノにアクセス出来ないようになってる。まあ、開封したことが一発でわかるので、そういう仕組みになっているのかもしれないけど。
開けると、本体とケースがお目見え。
折りたたんだ状態で本体を引っ張りだしてみる。
全体的にはザラザラしたマット感のあるプラスチックの仕上げで、正直外装はあまり高級感はないです。
が、折りたたみの機構やその他の可動部分などは、プラスチックとはいえしっかりと作ってあることはわかる。
イヤーパッドは若干固めで艶のあるの合皮製。
ただやっぱり肝心なところはしっかりと作っていて、ヘッドバンドの肝となる部分はプラスチックではなく、スチールを使ってます。
またこのスチールが、ヘッドバンド上部に見えていて、この部分はすこし高級感があるかな。
が、例のごとく、この価格帯のAKGは、生産国は中国。このへんのプラの成形なども、やっぱりちゃんとしていると思う。
まあ、このヘッドフォンは重量が少ないので大丈夫だと思うけど、物によっては、ヘッドフォンの自重で、頭頂部が痛くなったりすることがある。
K430は、ヘッドバンドの裏側にシリコン(だと思う)のクッションが付いており、滑り止めの効果もあるみたい。装着していて、ふとした頭の動きでずれてしまうこともなければ、少なくとも3時間程度の使用では頭頂部が痛くなることもなかった。
付属品のケースは、おそらくネオプレンという材質(ウェットスーツなどに使われているやつね)のもの。柔らかいので、ヘッドフォンを使っている時に鞄の中に押し込んでも適度に潰れてくれるし、ソコソコの耐衝撃性もあるので、結構お気に入り。
とりあえず一晩、音量高めでiPod直刺しによるエイジングを実施。効果はよくわかんないけどww。音質はその状態でのレビューになります。
レビューに使ったのは、Charles Mingusの”Mingus At Carnegie Hall”。
最初の印象は、このサイズにしてはよく低音が出るな、ということ。
グイグイ言わせるようなMingusのベースも、しっかりと聞き取れる。が、ちょっとドライブ感にかけるというか、迫力には欠ける感じ。
低音を出すために音のバランスを崩すなんてことはなく、自然な低音。音圧みたいなものは感じないけど、確実に低音が鳴ってる。
密閉型にしては、若干音場は広めかな。トランペットとベースは明らかに距離があるように感じる。
ごっちゃ混ぜにして音を出しているというよりも、定位がいいというか、演奏している人の位置関係をしっかりと表現できている感じ。
解像度は正直決して高くはないけど、悪くもなく中間という感じ。
高音は良く鳴ってると思う。ハイハットが刺さることもなく、きれいな高音。でも、ちょっと伸びは良くない感じ。
こんなかんじなので、どちらかというとロック系の音を楽しく聴こうぜ!的なヘッドフォンだと思う。
もう少し低音の沈み込みとかが改善されればいうことないのだけれど。
でも、当初の目的は正直十分に達している。そう、耳が痛くならない、コンパクトで比較的高音質なサウンド。
ちょっとデザインが野暮ったいけど、カバンが小さい女性なんかにもお勧めかもしれない。
メガネ女子増えているしね。
“メガネ君も大丈夫 – AKG K430 レビュー” への1件のフィードバック