竜泊ライン・眺瞰台〜龍飛崎を超える青森・津軽半島一周ライド

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毎年8月は恒例となっている青森旅行の月。
まあ、簡単にいうと、嫁の実父と祖母が暮らす街への帰省ですな。
例年はお盆の時期に新幹線で行っていたのですが、今年はとある事情から車で行くことになり、時期を少しずらしました。
ロードバイクを持っていき、青森の自然の中を走るライドを楽しめるので、毎年楽しみにしています。

その時に行った「津軽半島一周ライド」の様子をご報告。

TOYOTA VOXYにロード2台、大人2人、子供2人、犬1匹

自宅から青森・板柳町までは、距離にしておよそ680km、8時間半の行程。
父親世帯と共同保有しているTOYOTA VOXY (ヴォクシー)を使います。
昼に出ると、チビ2名(小学生2年生、年長さん)がヒマだなんだの大騒ぎになること必至なので、子供達が寝る時間に出て、車の中でぐっすり寝てもらおう作戦。
8月1日の仕事を終え、夜10時にスタートし、徹夜で運転です。
しかも、シートをフルフラットにしてゴロ寝できるようにすれば、途中で起きてしまい眠い→機嫌が悪いのコンボを回避可能。
そのために、色々と荷物の積み方を検討しました。

サードシートを倒さなければ、フレーム2台とホイール1セットはトランクに収納可能

サードシートを倒さなければ、フレーム2台とホイール1セットはトランクに収納可能

3列目をリクライニングさせない状態にすると、トランクのスペースにはロードバイクのフレームが2台分、そしてホイールを1台分積み込むことができました。
ロードバイクは2台ともハンドルを切り、ハンドルの向きを互い違いにして向き合わせる形で収納しました。
無論、擦れるようなところは全てタオルなどの柔らかい布でカバーします。
2列目は一番前まで出し、着替えなど「すぐに必要のない荷物」は全て、シートの下に収納します。

1台分のホイールは、天井の手すりにつっぱり棒を渡してナイロンバンドで止め、その上に積んでゴムバンドで止める、という徹底ぶり。
無事、大人2人は助手席、後ろはフルフラットで子供と犬がノビノビ、さらにロードバイク2台が積んである状態を確保。

天井についている手すり (アシストグリップ)に引っ掛けるバーのようなものが売っているので、本当はこういうのを調達すべきだったのかもしれませんが、間に合わなかったため、100円均一のつっぱり棒で代用。

予定通り、8月2日朝6時半頃に青森に到着しました。
東北道は空いていて走りやすかった。が、とにかく遠い…。
ほぼ休憩も取らずに運転していたので、着いたらバタンキューでした。

今年の目玉ライドは津軽半島一周ライド

普段であれば、祖母の家がある板柳町スタート固定になるのですが、車があればトランポでスタートすることが可能になります。
そのため、コース設定の幅が広がるのは嬉しい点。

GARMIN CONNECTとにらめっこした結果、今年の目玉ルートは
・津軽半島一周ライド
・八甲田山麓一周ライド (こちらは後日報告予定)
の2つとなりました。

青森県の中では比較的大きな街である五所川原市内をスタートし、国道339号線を、十三湖を経由しながら北上し、「津軽海峡冬景色」で有名な龍飛崎まで行きます。
その後、海上区間(といっても仮想のね)あることでも有名な国道280号線に入り、津軽海峡、陸奥湾を眺めながら半島をぐるっと一周します。
青森市内まで戻った後、青森県道2号線に乗り、五所川原市内まで帰還するルートです。総延長は174km。

大容量のオルトリーブサドルバックを購入して臨む!

東京近郊とは異なり、リアルに100km以上補給ができる場所がなかったりするのが地方の怖いところ。
また、真夏のヒルクライムになるため、ダブルボトル体制は必須。
普段、Vittoriaのツールケース+ボトルケージで運用しているものを放り込み、さらに補給食をがっつり積みこめるよう、大きなサドルバックが欲しいところ。
普段は、オルトリーブのMサイズサドルバックを使っているので、より大きなLを新たに購入。
これなら、サドルバックのマウントがM共有できるぞ、と。

いやマジでこのサドルバック、収納力がものすごい。

オルトリーブサドルバック MとLの比較画像

オルトリーブサドルバック MとLの比較画像

Mでもそこそこの収納力があるのだけれど、Lはその上をいく大容量。
公称値はMサイズで1.3L、Lサイズで2.7Lとほぼ倍です。なお、この公称値自体が「ちょっと謙遜しすぎでしょ」というほど控えめ。

入るだけ補給食を詰めてみた

入るだけ補給食を詰めてみた

替えのチューブやタイヤパッチ、CO2インフレータや鍵など、普段使っているキットを詰め替え、さらにその隙間に補給食をギュウギュウに詰めてみた。
なんと8個も入りました…こんだけあれば十分でしょ。
ちなみに写真左上の黒三角はコンパクトタオルで、めっちゃおすすめ。

津軽半島一周のヒルクラポイントは竜泊ライン眺瞰台クライムと県道2号線

海岸線を走るコースなので、基本はほぼフラットです。
339号線は海岸線に出たり内陸に入ったりを繰り返すので、単調なライドにはならなそう。
そしてマイルストーンである龍飛崎の手前に、大きなヒルクライムがあります。
特に峠の名前とかはないので、頂上にある眺瞰台クライムと勝手に名付けました。

登坂距離7km、平均斜度8% (上記Stravaの区間は一部です) と、かなりパンチのあるヒルクライムになりそうです。
しかもプロフィールを見る限り、ほぼほぼ7〜8%固定の坂がひたすら続く感じ。完全に我慢比べになりそう。

もう一つのヒルクラポイントが、青森県道2号線・屏風山内真部線の青森市・五所川原市境付近。

こちらも峠の名前などはなし。
登坂距離3km、平均斜度5.6%とマイルドなヒルクラですが、140km以上走った脚で登らなければいけないがツラそう。

その他、十三湖付近などでも若干の登りがあり、ルートラボによると獲得標高はおよそ1,700m。
まあ、びわ湖一周も行けたのだから大丈夫でしょ。

ねぷたに沸く五所川原市内を朝8時にスタート

行ったタイミングは、ちょうど青森県全体がねぶたに沸く時期。
ちなみに、青森は「ねぶた」、五所川原と弘前は「ねぷた」と読みます。

五所川原市「立佞武多祭」とは、平成10年に約80年ぶりに復刻した青森県は五所川原市にて開催される夏祭りです。
 【立佞武多】と呼ばれる、高さ約23m、重さ約19トンの巨大な山車が「ヤッテマレ!ヤッテマレ!」の掛け声のもと、五所川原市街地を練り歩き、その圧倒的迫力で沿道の観客を魅了しています。

出典:立佞武多の館「立佞武多祭りの概要

朝8時にエルム五所川原をスタート

朝8時にエルム五所川原をスタート

ねぷた祭りで駐車場を開放してくれていた、五所川原エルムを朝8時にスタート。
五能線の踏切を越えてすぐ国道339号線(通称「小泊道」)に入り、まずはひたすら龍飛方面へと進みます
バイパスとは異なり、五所川原市内を走る339号線の旧道は、片側1車線ではあるものの、昔の街の趣を残した雰囲気のある走りやすい道。ひたすら北上します。

15km手前あたりで「藤枝ため池」、18km手前あたりで「大沢内ため池」と、二つのマイルストーンを通過します。

青森入り当日に行った鶴の舞橋で有名な津軽富士見湖

青森入り当日に行った鶴の舞橋で有名な津軽富士見湖

青森入り当日にポタリングで行った、「鶴の舞橋」があることで有名な津軽富士見湖も、正式名称は「廻堰大溜池」といい、青森にはやたらとそこらかしこに溜池が存在しています。「農業」が主力の産業であることの証左なんだろうね。

最初の通過点は十三湖

りんご畑や田んぼの間を走ること30km、ようやく最初の通過点である十三湖が見えてきます。

十三湖に到着

十三湖に到着

面白い名前ですが、青森には他に「十二湖」もあったりします。こっちは白神山地の奥ね。
さぞかし独特な由来を持っているのだろうとWikipediaさんを参照すると、

十三湖や十三湊の名称の由来は、日本海と湖の間にある砂州に13の集落があった、13の川が流入しているなどの他に、アイヌ語で「トサ」(川尻の湖)を意味しているとする説もあるが、よく分かっていない。なお、南方にある十二湖とは無関係である。

出典:Wikipedia「十三湖

だそうな。

すごく穏やかな湖、十三湖

すごく穏やかな湖、十三湖

関東にいると、やたらと人造湖ばかりなのだけれど、ここは淡水と海水が混ざった汽水湖であり、自然に形成された湖のよう。
すごく「穏やか」な湖。
湖岸にぼーっと座っていたくなる、そんな湖。

中泊町役場から十三湖畔までの行程の動画を、中華アクションカムで撮影しましたのでよろしければどーぞ。
apemanという不思議な名前のアクションカム、クソ安い上に十分な映像が撮れますので、オススメです。

いよいよ竜泊ライン・眺瞰台クライムへ

十三湖は行程上およそ30km地点。
竜泊ライン・眺瞰台クライムの開始地点はおよそ57.8km地点。この間約27kmは、小泊付近の登りを除けば、海岸沿いの平坦道をひたすら進みます。

こちらも動画があります。十三湖畔出発から洗磯崎神社付近までの動画です。

通常、海岸線は横風注意ですが、この日はおかげさまで風は強くなく、広い海原と快適な空気の中でペダルを回し続けます。

みちのく松陰道方面への分岐を示す標識

みちのく松陰道方面への分岐を示す標識

竜泊ライン・眺瞰台クライムは、吉田松陰が津軽海峡の防衛検分のために歩いたとされる山道(みちのく松陰道)への分岐を示す標識のあたりから始まります。
地図上、海岸線から内陸に入った時点でから登りスタート、と思った方がいいですね。

予想していた通り、じわじわと斜度が上がるのではなく、いきなりどんと10%程度の坂がきます。
1km行かないぐらい登ると、そのあとに若干の下りを挟みいよいよ本格的な登坂スタート。

標高が低いうちは、両サイドに人の背並みに高く育った草の間を走り抜ける感じです。
眺望が良いわけではないのでそれなりの覚悟が必要です。
が、関東圏とは異なる気象条件のため、気温によって体力が削られている感じはしません。無論、汗まみれですが…。

一瞬平坦基調になった後の3kmほどはつづら折りの連続区間。
直線基調の部分は斜度がほぼ10%固定 (体感)。カーブの外側はかなり斜度が緩くなりますが、内側はむしろ直線部分よりも斜度が上がります。
車の交通量もそこそこあるので、どうしても車線厳守になります。
ということは、2回に1回は強烈な斜度のカーブ内側を走らないといけなくなります。

つづら折り区間をすぎると、若干のカーブがあれど直線基調のルートになります。
ここが本当にきつい。10%固定でほぼ逃げ道がない。
すでに足はいっぱい、インナーローで耐え凌ぎます。
汗もダラダラで回していると、降りてきた車の窓から子供が顔を出し「頑張れー!」と声をかけてくれました。
おっちゃん、頑張ってる。

登坂開始から6kmほどで、最後のつづら区間。
ここも概ねの斜度は変わらず、体感で9-10%固定といったところでしょうか。
最後の力を振り絞りながら、ペダルを回し続けます。

眺瞰台の頂上に到着

眺瞰台の頂上に到着

距離にしておよそ7kmを登り続けることおよそ50分。
ようやく竜泊ラインの最高地点である眺瞰台に到着!

みちのく松蔭道入口から眺瞰台までの登りの様子を動画にまとめましたので、興味のある方はどうぞ。
ただし、フラフラなので酔わないようにご注意を。

竜泊ライン・眺瞰台の感想ですが、とにかくキツイ、長い。
正直20%とか30%とかの激坂区間はありません。おそらく最大でも15%程度でしょう。
勾配に変化はなく、ひたすら8〜10%の坂を登る必要があります。
つづらのカーブ地点以外で休めるところがなく、我慢比べのヒルクライムになりがちなのがこの峠の特徴でしょうか。

眺望は流石の一言

眺望は流石の一言

だけど、登り終わった後は最強に気持ちいい。
「眺瞰台」と言われるだけあって、眺望もよく、「下界」を俯瞰できます。
また、やはりここは東北の地、吹いてくる風が凄まじく気持ちが良いです。

登ってきた道が見える

登ってきた道が見える

眺望が良すぎてこれまで登ってきた道がよく見える。
ほんと、「よくここまできたなあ」と変な感慨にふけってしまいます。

階段でしかいけない展望台

階段でしかいけない展望台

さらに100段以上の階段を上ったところには、さらなる高みから見物できる展望台が。
少し体を休めた後、SPD-SLシューズでなんとか階段を踏破してみました。

龍飛崎へひたすら下る

しばしの休憩の後、再出発。
ここからは、龍飛崎までひたすら下ります。

道が広いのでめちゃめちゃ下りやすい。
カーブも多くはないため、結構スピードに乗って下ることができますが、観光地でもあるため、車の量もそこそこ。
車線はみ出しなどは厳禁ですね。
登りとほぼ同じ、約7.2kmの行程なのだけれど、なんだろう、この時間差は。あっという間に下り終了です。

339号は階段国道として有名で、この道を使って龍飛の港まで出ようとすると、必然的にこの階段国道を通る必要があります。
何台も観光バスを見たため、おそらく人が多いだろうなと思い、さすがに混雑している中をバイクを抱えて下るのもどうかと。
そのため、龍飛崎の観光ゾーン(道の駅みんまや付近)まで行くのは避け、その前の分岐を折れて国道280号線方面にエスケープしました。

津軽半島最北端、帯島はただの港でした

津軽半島最北端、帯島はただの港でした

先ほどまでの山道は嘘のように、海岸線の道に出ます。
ここを北上し、津軽半島の最北端である「帯島」まで行って見ました。
残念ながら、フツーの港でした….。

太宰治の文学碑

太宰治の文学碑

三厩(みんまや)付近には、五所川原市出身の太宰治の文学碑が。

津軽半島の海岸線をひたすら走る

ここまでくると、後の行程のほとんどは海岸線の平坦道を、景色を楽しみながら走るだけ。
海岸線は、景色の変化はあまり楽しめないのだけれど、そもそも変化してもらいたくないほど広々した景色だし、浜風も心地よい。
平坦基調なこともあって、どんどん進めるのも海岸線の道のいいところ。

津軽海峡の海岸線

津軽海峡の海岸線

こんな景色とか、

津軽海峡の海岸線

津軽海峡の海岸線

こんな感じの景色がただひたすら続くのです。たまに漁港があるくらい。
竜泊ライン眺瞰台クライムではほとんど合わなかったローディーともすれ違うようになりました。

義経海浜公園で休憩

義経海浜公園で休憩

と思って走っていたら、「義経海浜公園」なる、休憩にちょうど良い公園があったので、補給を兼ねて。
海水浴もバーベキューもできる、よく整備された公園でした。

休憩後もひたすらに海岸線を走ります。

海がきれいで飛び込みたくなる

海がきれいで飛び込みたくなる

海がきれい。

道の駅たいらだてで一休み

歯を食いしばって登る坂がなく、どんどんとスピードに乗れてしまうため、いつの間にかオーバーペースになってしまうことがあるのが海岸線の怖いところ。
30km/hぐらいを目安に一定の速度で走ることを心がけました。

道の駅たいらだて

道の駅たいらだて

気づけば、国道280号線の休憩場所として決めていた道の駅たいらだてに到着。
サイクルラックにバイクを止めてぼーっと休憩していたら、ハーレーを牽引しようとしている大人が5名。
そっか、ハーレーって大人5人がかりでも重くて動かないのか。

平舘地区はすでに、津軽半島の中でも陸奥湾側にある集落。
気づけば、津軽半島を大西洋から津軽海峡に沿って走り、反対側に回ってきたということ。いやいや、我ながらよく走ったものだ。

休憩後も、海岸線を走りつづけます。
気づけば、JRの津軽線と並行したり、別れたりを繰り返しています。
が、なぜか津軽線とすれ違うことがない…。
本当に走ってるのか?

蓬田地区で海岸線に別れを告げる

海岸線ライドは終わりに近づいてきました。
蓬田と言われる地区、ここはすでに青森市。
津軽線の奥内という駅のそばから海岸線に別れを告げ、五所川原市内戻るための県道である2号線に入ります。
ここは、このライドで第2のヒルクラポイントとなります。

およそ3km程度の登りになりますが、平均勾配5%と、140km以上を走った足を攣らせるには十分な斜度ときつさ。
思いっきり山の中を進んでいきますので、「田舎の県道」の雰囲気は十分に味わえますが、残念ながら眺望は期待しない方がいいです。
青森市の外れと五所川原を最短で結ぶ県道らしく、本当にたまにですが、車も通ります。
まあ、そのおかげなのか、道自体は大変状態が良く走りやすかった。

その後は、県道36号線を経由し五所川原の金木地区を抜け、無事に五所川原市内に帰着しました。

半島一周系のライドは距離が長くなりがちですが、適度な登りもあり、気持ちの良い平坦区間もありで、いいコースが引けたなあ、と思います。
是非チャレンジしてみては?

この日の走行データ

最後に、Stravaの走行データを貼り付けておきます。

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