前回の11速化 – バラシ編からの続き、いよいよ組み上げ編です。
目次
まずはBB、クランクの取り付け
先にクランクをつけないと、フロントディレーラーの場所決めができません。ので、まずはBB周りから着手。
BBシャフトとBBの本体を綿密にグリスアップ。
BBの取り付けには、以下の工具が必要。
ホローテックBB取り付け工具
SHIMANO SM-BB9000取り付け工具 TL-FC24
先にTL-FC24をBB9000に取り付け、それを工具を使って締め上げていきます。
右、左を交互に締めていきます。
BBのトルクは35.0-50.0Nmという強烈なトルクが必要。無論、それを測れる工具を持っていないので、とにかく動かなくなるまでぎゅーっと締め付けました。
Clarisはオクタリンクという規格のBBでしたが、現行シマノのコンポは、Clarisの上のグレード”SORA”以上はホロー(中空)テックという規格です。
オクタリンクはBB側に軸を持っていますが、ホローテックはクランク側に軸がある。
そのため、BBをつけても向こうがが透けて見えます。
BBがついたら、クランクを取り付けます。
まずはクランク軸にグリスをたっぷり塗り、BBの空洞に挿入します。ちょっと固い場合は、チェーンリング側をゴムハンマーなどでトントン。
奥まで入ったら、左クランクを取り付けます。
軸のギザギザで一部幅広になっている部分があるので、そこを合わせて取り付けます。
そうしたら、左クランクの接合部にある樹脂製のネジを、またもや特殊工具を使って締め上げていきます。
根元にあるネジを締めこみ、脱落防止プレートを埋め込んであることも確認。
ディレーラーの取り付け
クランクを取り付けたら、ついでフロントディレーラーの取り付け。
クランクのRとフロントディレーラーのRとが、1mm程度の隙間になるようにフロントディレーラーを固定します。
リアもこのタイミングで取り付けてしまいます。
リアディレーラーはエンド金具にアーレンキーで締め付けるだけで完了。
アウターケーブルはなんとなくついているだけで、この時点で付いている必要はないです。
リアホイールにカセットスプロケットを取り付け、ホイールを装着
残るはSTIですが、こちらはバイクを立たせないとダメです。
ので、先にリアホイールにスプロケットをつけ、フロントホイールも装着してメンテナンススタンドに立てます。
重量を量るのを忘れてしまったのでカタログ値での比較。
CS-HG51 11/28T 250g
CS-5800 11/32T 273g
ギアの段数が増えているので、当然重量増。が、たった23gだけで3枚増えるとは。
スプロケットの取り外しについては、言葉で書くよりも映像で見ていただくのが一番コツがわかりますな。
バイクを立たせて、STIの交換
さて、いよいよワイヤーの取り回しが面倒なSTI周りの交換です。
まずは、ST-2400の取り付け位置を記録。ハンドルにメモリがあるのでわかりやすい。
記録したら、ブラケットカバー前面を無理やりめくり上げたところにあるボルトを緩めて、STIレバーを両方とも外します。
掃除をした後、同じ要領でST-5800を取り付けます。
ここは、あまり動かない程度に仮固定でOKです。
この時点で、後々通すことになるアウターケーブルの長さを決めてしまいます。
ハンドルを切ってもケーブルにテンションがかからない、長すぎず短すぎずの長さを決めます。
長めに切って仮固定し、少しずつ切っていって調節するといいと思います。
アウターが決まったら、ブレーキケーブルとシフトケーブルを取り付けていきます。
ブレーキは、タイコが正面に来ます。
シフトケーブルは、タイコが外側に来るように通し、取り付けます。
ブレーキ、シフトケーブルをSTIに通したら、ケーブルをオイルアップしたのち、アウターケーブルに通します。
そのあとに、ハンドル周りはビニールテープで固定しちゃいます。
今までは触覚的な取り回しだったので、ST-5800以上の特徴である、バーテープ巻き込み型でセッティングしました。
チェーンとケーブルの装着
ここまで来たらあと一歩。
まずは、先にリアディレーラーの可動範囲を、チェーンをつける前に調整しちゃいます。
まずは最もケーブルが緩んでいる場合の、リアディレーラーの位置をアウター側で調整。
調整が終わったら、ロー側も。
チェーンが付いていないので、手でリアディレーラーを目一杯押し込み、プーリーの動く位置を見ます。
押し込みながらボルトをいじり、ロー側の可動範囲をおおむね調整しちゃいます。
細かな調整は、チェーンを張ったあとに実際の変速を見ながら調整しますが。
そのあと、チェーンを適正な長さに切って取り付けます。
今回は11-32Tのスプロケットを装着しています。28T以上だと、チェーンの長さの設定が変わって来ます。
フロントアウター、リアロー、つまり最も端数の多い組み合わせにした長さに、2リンクを追加。
そのあと、ブレーキのクリアランスを出しながらブレーキワイヤーをブレーキに固定。
これでブレーキは完了。
次はリアディレーラーのワイヤー張り。
かなり引っ張らないといけないのですが、ここで裏技を少し。
ケーブルを張らない段階で、クランクを回しながらリアディレーラーを押し込んでいきます。
すると当然、チェーンが動きます。
チェーンが3段目ぐらいまで移ったら、そこでリアディレーラーの押し込みを止め、ワイヤーを手で少し引っ張りながらボルトで固定します。
固定が終わったら、リアディレーラーから手を離し、クランクを回します。
すると自然とギアが落ちていくのですが、これがトップまでくればおおむね適正なワイヤー張りになります。
STIがトップの位置になっていることを確認してやって見てください。
トップまで落ちない時は、ケーブルを張りすぎなので、少し緩める。
クランクを回しながらギアを上げていき、ローまでいかない場合はワイヤーが緩すぎ。
幾分試行錯誤しますが、思いっきり引っ張って確認を繰り返すより全然楽です。
リアディレーラーのワイヤー張りが終わったら、最後にトップ側の位置で、スプロケットとプーリーの位置関係を確認します。
きつすぎたり、広すぎたりする場合は、Bテンションボルトを回して調整します。
リアの調整が終わったら、最後にフロントディレーラーの調整。
フロントをアウター、リアをトップに入れます。
フロントディレーラーがアウターにある (=ワイヤー解放の状態)段階でチェーンとフロントディレーラーの位置関係をボルトで調整します。
0~0.5mmになるように調整します。
これが決まったら、FDのケーブルを思っ切り引っ張り、ケーブルを本固定します。
固定したら、STIを操作し、インナーに落とします。
リアはローに設定します。
この状態でフロントディレーラーとチェーンとの隙間を0-0.5mm程度に調整。
ここまで出来たら、クランクを回しながら、STIを操作し、フロント、リアの変速がうまくいくかをチェックしていきます。
うまくいかない場合は、
- アジャスターボルトを回してケーブルの張りを調整する
- ボルトを回してディレーラーの可動域を調整する
で微調整します。
後はバーテープを巻くだけ
実はバーテープはFizikのものが使いたかったのですが、買うの忘れてました…。
ので、余っていたEASTONのバーテープを使いました。
バーテープの巻き方は、これも文章で説明するよりも動画でどうぞ。
完成!!感慨深い!
というわけで11速化の作業まとめでした。
結局は実走で確認してさらなる微調整が必要になります。
明日は仕事が終わったら、夜練でシェイクダウンライドをの予定!
楽しみ。