とある7月の夜、RaphaのWindblock Brevet Jersey (ウインドブロックブルベジャージ)を着て通勤ライドをした帰りのこと。
いや、夏なんですけど、夜は冷える場合もよくあるので、Windblock Brevet Jerseyはかなり便利なんですよ。
暑けりゃ前開けて風入れればいいし、ジッパー締めればジャージ+ジレと同じ。
目次
ロードバイクの交通ルール
自転車を含む軽車両は、道路の最も左側のレーンを走らなければいけないというルールがあります。
ただ、最も左側のレーンが突然左折レーンになってしまったりするケースもあり、この場合は左折せずに直進することはOKなようです。
車両通行帯において、左折レーンなど進行方向別に通行区分が指定された車線は、その指定された進行方向に従い通行する必要がありますが(道路交通法:第35条第1項)、この場合に自転車(軽車両)は指定通行区分に従う義務は負いません(道路交通法:第35条第1項のかっこ書き)ので、左折レーンが設けられた道路においても、自転車は、原則にもどって左側端から一番目の車両通行帯であるところの左折レーンを通行し、直進することができると理解されます(道路交通法:第20条第1項)。
出典:一般社団法人自転車協会「教えて自転車のすごい人」
とはいえ、明確にそうであると規定されているようではなく、あくまで「そう解釈される」ということのようなので、この辺りは趣味でロードに乗る人間としては明確なルールを作ってほしいなあと思うところ。
複雑な交差点での自転車交通ルールは難しい…
通勤は、青梅街道をひたすら走るルートです。
青梅街道自体は、交通量がそこそこあるものの、車線数が多いので比較的安全に走れます。
が、一点難所が。それが青梅街道=靖国通りの山手線高架下を走る「新宿大ガード」交差点の手前、「新都心歩道橋下」の交差点。
地図でいうと、こんな感じ。
地図を見るとよくわからないので、航空写真からはこんな感じ。
この交差点では、大ガード方面から左端レーンを走っていると、直進する甲州街道方面、及び青梅街道方面とは物理的に区切られた左折レーンに入ってしまいます。
そのため、ギリギリまではこのレーンを走りつつ、左折レーンに入る直前に甲州街道方面のレーンに車線を変え直進、西口方面から来る道路の先端で2段階右折をすることで、青梅街道方面に向かうことになります(写真の黄緑矢印)。
が、とにかく交通量が多い道路なので、左折レーンから直進レーンに移る時も気を使いますし、2段階右折のために停車中も、ギリギリを車が通過していくので、これまた注意しなければいけません。
また、新宿という場所柄、車のドライバーにも色々な方がおり、中には「明らかにロードバイクを嫌っている」と思われる運転やマナーを見せる方もいるのが残念なところ。余計に気を使うわけです。
気づいたら..落車!
この日も例に漏れず、後方に注意しながら左折レーンから直進レーンへ車線変更をしようとしたわけです。
すると、なぜかバイクが上下に激しく揺れ、気づいた時には思いっきり転倒していました…。
原因はこいつ、大きめのキャットアイ。Googleストリートビューにもがっつり写っています。
高さはおよそ2〜3cmほどと大きく、中にリフレクターが入っているものの、自ら発光することはないのです。
こいつに乗り上げてしまいバイクは完全にコントロールを失ってしまったわけです。
左側面から地面に落ち、気づいたら左肘から血がポタポタ。思いっきり擦過傷が入っていました。
傷こそあまり深くないものの、出血はそこそこあったので、持っていたティッシュをあて、タオルでぐるぐる巻きに。
同時に打ち身もあったようで、ズキズキするけどこれならまあ乗れる。
それ以外に痛いとこをチェック。
・左脇腹〜背中の腰のあたり
・左膝の外側
・左くるぶし
に若干の痛みが。
と思ってそれぞれの部位をチェックしていると….
「あああああああ!」
がっつりとジャージが破けてしまっていました。
がっかりしつつも、とりあえず走らなきゃ帰れないので、バイクを漕ぎ始めました。
Raphaのジャージはリペア無料だったことに気づく
痛む身体を何とか動かしながらペダルを回していると、ふとしたことに気づきました。
「あれ、Raphaのウェアってリペア無料じゃなかったっけ?」
そう、落車は数あれどジャージを破いたことはなかったのですっかり忘れていましたが、Raphaには確かリペアサービスがあったはずです。
あとは、自分が着ているこの「Windblock Brevet Jersey」がリペア対象品であれば、無料で直してもらえる。
そんなこんなを考えながら新宿から約17kmを走り、自宅に到着しました。
傷の手当てをし、ジャージを洗濯機にかけたあと、ご飯を食べながらRaphaのページを見てみます。
ビンゴです、リペアサービス無料。
そういや最初にRaphaのジャージを買うとき、「破れても無料で直してもらえるし!」と自分を言い聞かせて買った覚えがあります。
金銭感覚が麻痺していて忘れました
Raphaのリペアサービスの詳細を確認しても、「Windblock Brevet Jersey」はリペア対象品のようです。
Windblock Brevet Jerseyの損傷状態をチェック
諸々調べ終わったら、ちょうど洗濯機が止まったので、干すついで損傷状態をチェック。
損傷は、左脇腹〜背中にかけて集中しています。
左サイドパネルと背中との境界付近に破れが2箇所。
特に上の穴は結構大きい(涙)
下の穴も小さいとはいえ、下の肌ががっつり見えてしまう。
左リアポケットのヘム付近にもダメージがあります。上の写真ではほつれのように見えますが、言葉通り「首の皮一枚」で繋がっている感じ….
ほんとに直るのか、これ….
Raphaリペアサービス申し込みの手順
申し込み自体はそんなに難しくありません。
まず、修理に出すジャージはしっかりと洗濯しておきましょう。
まあ僕の場合は汗やら落車の血やらで汚れてしまったので、当たり前のように洗濯済み。
次に、専用のリペア用紙に詳細を記入します。
このPDF、印刷して手書きするのかと思えば、フォーム機能を利用できるので、PDFに直接入力していくことができます。これは便利。
全ての項目が入力し終わったら同梱用に印刷します。
あとは、ジャージの損傷がこれ以上拡がらないように注意しながらパッキングします。
嫁の仕事柄、家にはA4サイズが収納可能なPP袋が常備してあるので、これにツメツメ。
パッキンングしたジャージとリペアフォームを同梱してRaphaのカスタマーサービスに送付します。
宛先はこちら:
カスタマーサービス
Rapha Japan
〒151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-1-6 2F
電話:03-6434-9447
僕はトラッキング可能なレターパックライトを利用しました。
カスタマーサービスで受領されると、その旨を電子メールで連絡してくれます。
修理は損傷の多寡に応じて日本あるいはイギリスにて行なわれます。お送りいただいてから修理しお客様のお手元に届くまでに通常4週間ほどかかります。
出典: Rapha – リペアサービス
修理に必要な期間はおよそ4週間とのこと。
ワクワクしながら待ちましょう。
およそ4週間後、リペア完了のメールをもらう
修理に出したのが7月2日、それからほぼ1ヶ月後の8月日に修理完了のメールが着信でした。
運悪く、着信した日には一足お先の夏休みで青森に出発してしまい、内容の確認は休みが終わったあとになってしまいました。
1階に住む親が受け取ってくれており、海外通販を利用した時によく使われているかなり丈夫なビニールに入った荷物が届いていました。
イギリスで修理してくれたのかな?
早速開封します。
なんと特製ミュゼットに入ってくる
これはかなりびっくりしました。
修理、無料ですよ。
修理品を送る送料はかかるもののそれは当然だし、完了品を送ってもらうための送料負担はなし。
それなのに、修理されたジャージがリペア品専用のミュゼット(日本名サコッシュ)に入ってるんです。
白地に黒い十字架のデザイン。
裏面にも、リペアのロゴが。
カスタマーサービスにしっかりとコストをかける。
それが既存顧客の満足度を上げ、リピート購入を促す。
CRMの基本ですが、それが100%徹底されている感じ。
こりゃハマるよね。
リペアの仕上がりは想像以上
そして肝心のリペアの仕上がりはというと、こちらも想像以上。
Raphaのスタッフの方曰く、リペアはわざと修復の跡がわかるように直すんだそうな。
ヨーロッパでは、落車する=ロードバイクに乗っていることの証左であり、その傷は勲章なのだという哲学らしい。
なので、正直裏側からパッチを当てる程度のリペアかと思っていのだけれど。
生地の表と裏にそれぞれパッチが当てられ、丁寧に縫い付けてある。
これ、間違いなく手作業で直してくれてるよな。
リアポケットのヘム付近のほつれにもパッチ+縫い付けの丁寧な補修。
あれ、その上あたりにもほつれがあったよな。
裏側から見ないとわからないぐらい、ちゃんと補修されている。
パッと見では、修理されているかどうかもわからないくらい綺麗に補修。
スタッフさんの手書きのメッセージカードも入ってる。
いやいや、こちらがありがとうだし。
Raphaのジャージは本当に「高い」のか?
というわけで、リペアサービスの体験報告でした。
「Raphaのジャージは高い」とよく言われます。
そりゃそうだ、2〜3万円がボリュームゾーン。単なるジャージとしては、金額だけ見れば高いです。
でも、誰にもあるよね、お気に入りのもの。
そのお気に入りのものが壊れたら当然悲しい。
でもそれが直ってまた使えるとしたら?
そのモノには、さらに愛着が加わる。
他のサイクルジャージも、1万円代が多いかな。
そのジャージは、落車して破れてしまったら、自分で補修する以外ない。
無論技術もないので、誰かに補修を頼んだとしたら、恐らくはもう1枚ぐらい買えるぐらいの金額が取られてしまう。
多分、本当に愛着があるものであれば、その出費を惜しまないのだと思う。
そういう「愛着のあるもの」を持っていることって、実は結構幸せなことだったりする。
Raphaのジャージは確かに高いのかもしれない。
でも、それが単なるジャージではなく、ライドの思い出や経験を想起させるトリガーにもなり、楽しい時や苦しい時を過ごしたことを思い出させてくれる。
リペアが無料なのも含めて、ジャージそのものと、それを着て走る楽しみを感じられるような付随サービスが揃っている。
そこに価値を見出せるか、なんだよね。
そして僕自身、今回のリペアサービスを通じて、その価値を見出しました。
修理してもらったWindblock Brevet Jersey、これからも愛着を持って着ながらライドを楽しもうと思います。