愛車、Bianchi VIA NIRONEのコンポーネントを、初期搭載のShimano Clarisシリーズから105に交換し、累計でおよそ300kmを走ってみました。
交換の顛末は、Bianchi VIA NIRONEを105で11速化 その(1)、その(2)をそれぞれご覧ください。
ので、その後のインプレをお届けします。
通勤やポタリング、夜練をメインに走りました。
目次
SHIMANO Clarisと105って何?
Clarisは、SHIMANOのロード用コンポーネントの中でも、最下グレードのコンポ群。
元々は、2300シリーズとして型番のみで呼ばれていたものが、Clarisというブランドとしてまとめられたものです。
SHIMANOのパーツで低価格帯のものは、そのほとんどが型番のみで呼ばれています。
Clarisはそこを基にしているため、要は「低価格帯から毛が生えた」程度のブランドになりますが、そのあたりは信頼のSHIMANO製、低価格帯でもしっかりと性能を発揮してくれるため、最安価格帯のロードに搭載されているケースが多いです。
本稿時点のSHIMANOのロードバイクコンポーネントは、以下のようなラインアップ。
- Claris (2400シリーズ)…8速
- Sora (3500シリーズ)…9速
- Tiagra (4600シリーズ)…10速
- 105 (5800シリーズ)…11速
- Ultegra (6800シリーズ)…11速
- Dura-Ace (9000シリーズ)…11速
上の3つは街乗りを想定したモデルで、フラットバー用のブレーキレバーやシフターなどもラインアップされています。
そのため、SHIMANO公式サイトでも、各パーツの重量などは公開されていません。街乗り用だから、そこまで重量にシビアにならなくてもいいよね、という理由。Clarisの各パーツ群の重量はその(1)で計測して載せてあるのでご参照ください。
105から上はレースグレードで、重量などの詳細もSHIMANOから公表されています。
コンポアップグレードの効果1: 全体の軽量化
今回はClarisから105へ、一気に3段階のアップグレードとなりました。
さすがにエントリーコンポの最下位グレードから、レースグレードにアップすると、軽量化の恩恵を受けられます。
特に顕著なのがクランクとBB周り。
ClarisグレードのBBとクランクは、オクタリンクという旧規格を採用しています。
フロントクランク (FC-2400: ギア2枚 クランク長170mm。50/34T)で970g、BB (BB-ES300)は260gと、この時点で1.2kgを軽く超える。
一方の105は、クランク (FC-5800: ギア2枚 クランク長170mm。50/34T)とBBでおよそ800gと、400g以上軽くなります。
二桁グラムの軽量化だと、僕の賓客ではそうそう違いを感じられないのだけれど、さすがにこれだけ変わると違います。
同じ力でもクルクルとペダルが回るようになる。
僕の漕ぎ方では、都内のストップ&ゴーでは、フロントをインナーに落とし、リアを2段あげててストップ。
再スタート時にはリアを変速させながらスピードを上げつつケイデンスを一気に120超ぐらいまで上げ、32~33km/hまで上がったら一気にフロントをアウターに変速、ケイデンスを85回転ぐらいで安定させて巡航モードに入ります。
この巡航モードに入るまでの時間がかなり短くなった。
リアを1段落としでも大丈夫かな、と思うぐらい、ペダリングがスムーズ。
ただしこの効果は、Clarisから105への3段階アップグレードだから感じることで、Tiagraから105などのアップグレードでは感じにくいかもしれません。
コンポアップグレードの効果2: やっぱ11速はギアに余裕がある
Clarisは8速、105 (5800系)は11速と、ギアが3段増えました。
ヒルクライムでも楽になるように、乙女ギアを装着しました (笑)。
それぞのれスプロケットの歯数はこんな感じ。
Claris時代 (CS-HG51 11-28T): 11-13-15-17-19-21-24-28
105時代 (CS-5800 11-32T): 11-12-13-14-16-18-20-22-25-28-32
市街地だと、いくら賓客の僕でも28Tよりも多いギアを使うケースはまれ。なので、実質的には7段から9段に変わった感じ。
トップギア周辺が1枚刻みとスムーズに変速ができるようになり、巡行時はフロントアウター(50T)xリア20T or 18Tで回し、ど平坦ではケイデンス90以上になると1段ずつ上げていく感じで、どんどんと加速ができるようになりました。
通勤からの帰宅時には、上智大学横の「紀尾井坂」を通ります。
この坂の斜度は平均して8%、最大斜度17%と、都内の市街地では結構な激坂です。まあ、距離は100m程度と短いんだけど。
この坂で32Tの威力を試してみましたが、確かに回る。28Tでもシッティングで十分回りますが、32Tまで下げると足へのダメージがほとんどなくシッティングで上りきれます。
うん、これは都民の森の次回チャレンジが楽しみ。
コンポアップグレードの効果3: 変速は超スムース
もう一つのアップグレード効果、それは変速のスムースさ。
リアの方は、Clarisも大したもので、ちゃんと調整してあげれば、スムースに変速ができる。
が、ちゃんと調整した105の変速にはそれでもかないません。
ギアの操作に応じて、「チャ」「チャ」という感じで軽快に反応してくれる。
Clarisの方は「チャキ」「チャキ」という感じ (いやほんと、こんな表現ですいません…)。
まあ、11速と8速では、ディレーラーの稼働幅(インデックス)が異なるので、フィーリングが異なるのは当然といえば当然なのですが、とにかく無駄がなく動いてくれる感じ。
変速性能に大きな差が出るのはフロントディレーラー。
特にインナーからアウターへの変速性能が大幅にアップしている。
Clarisは、STIレバーを押し込んで長押しをする感じで、ようやく「ズルズル…ガチャン」てな変速だったのが、105ではレバーを「クリック」する感じで「シャッ」と変速してくれる。
フロントの変速を多用する走り方をする僕にとっては、非常に大きな効果です、これ。
一方、その代償はやはり調整の難しさ。
単に変速するだけなら大した差はないものの、11段全てのギアで、同じように「キレイに」変速させようとすると、アジャスターを超微妙に回しながら、ワイヤーの張りを調整する必要があります。
この作業をサボると、特に2段目〜9段目ぐらいで、チェーンが音鳴りしたり、2段一気に変速してしまったり、という事になります。
特に換装直後は、ワイヤーの伸びが来るので、2回のライドに1回ぐらいは、変速の調整をしました。
値は張るが、確実に効果の出るアップグレード
最初の一台として、Claris搭載のアルミロードを買う人も多いと思います。
で、実際に走ってみると面白くてハマっていくと、もっといいグレードのバイクが欲しくなるもの。
そんな時に、バイクを乗り換えるよりも、パーツをアップグレードしていくという選択肢もある、ということを覚えておいてほしいと思います。
多分、アップグレードで最も効果があるのは、ホイール&タイヤでしょう。
僕も初期搭載の鉄ゲタ+Zaffiroワイヤービードから、Campagnolo Zonda+Schwalbe Duranoに変えた時はビビりました。
が、僕のBianchi NIRONEのように、コンポがClaris採用のバイクであれば、コンポのアップグレードも十分に効果を体感できます。
パーツを交換したり、弄ったりすることで、ロードバイクの構造や仕組みをより深く知ることもできるし、結局のところそれは、ライドに出かけた時のトラブル対応力のアップにつながったりします。
そして、色々と弄ることでさらにバイクへの愛着が深まります。
特にコンポはいろいろとメカの知識が必要なので戸惑ったり踏み切れずにいる方もいると思いますが、インターネット上に情報がたくさんある昨今では、調べながら、時間をかけてにらめっこすれば、なんとかなりますよ。
いよいよダメだと思ったら、ショップを頼ればいいのだし。
グループセットの一括購入なら、海外通販がかなりお得。
(まあ、僕は貧乏なので1ヶ月に1点ずつ買い揃えていきましたが…)
105に換装後の、あるライドの記録
新青梅街道〜16号〜五日市街道と、横田基地周辺を周回したポタの記録です。
よく周り、よく走るバイクに少しずつ仕上がっていく感じ、たまらなく楽しいです!
自分も同じロードを乗っているのですが、後ろのタイヤを11s対応と明記されたものに交換せずにClarisから105にはできますか?
タイヤというか、ホイールですかね。
11速とそれ以前では、スプロケットを取り付ける部分(フリーボディ)の長さが異なったり、その分リムがオフセットしていたりと、規格が違ってしまっています。
そのため、[基本はできない]と思ったほうがよいかと思います。
が、いろいろと裏技があるようで、
http://roadbike-navi.xyz/archives/4287/
などにまとまってますね。
アルテの11-34Tを使うのが最も現実的な解かもしれませんが、このギア比は人を選びそうです。